
人間工学に基づいて設計された椅子に座り、ロボット工学や建築にも興味がある。
機能を追求したことで生まれるデザインを眺め、どうしてこの形にするといいのか、なぜこの形になったのかと想いを巡らしてきた。木村准教授 が「形」という切り口で生物を見た時、新たな問いが生まれた。
何 がやりたいのかを模索していた大学時代、手に取ったある建築家の本に書かれていたことに興味を持った。「都市は、局所的には個人個人が所有していても、俯 瞰して見ると計画したわけではないのに全体として機能を持っている」。地形に制約があるからこそ、何らかの規定が生まれる。形や空間によって作り出された 秩序や、機能に潜むルールを明らかにしたい。自分が取り組むべき「新たな問題」の匂いがした。
細 胞を家に例えるならば、鉄骨にあたる細胞骨格がどのくらいの強度を持つのか。あるいは細胞が分裂する際にどのくらいの力学的負荷がかかるのか。細胞を構成 する個々の分子については、これまでの知見の蓄積がある。だが、全体として捉えたとき「核がなぜ細胞の真ん中にあるのか」という当たり前に感じている現象 の真相が、まだわかっていない。木村准教授はここから細胞建築学の取組みを始めた。
研究姿勢に考え方が現れる